よく耳にする「相対性理論」とは何なのか。(歌手の方ではない)
案外、誰も知らない相対性理論について、少し詳しくなりましょう!という記事です。
ちなみに相対性理論について詳しくなると、こんなことができます。
○飲み会の席で、相対性理論について熱く語れる
→ 「空気の読めないヤツ」という称号が手に入る!
○上司が「これが相対性理論というヤツだよ、キミィ?」と言ってきたとき、その間違いを論破できる
→ 上司との関係が悪くなる!
○アニメや漫画で「相対性理論」という言葉が出てきたとき、「本当にこの作者わかってんのか?」と斜めに読むようになる
→ アニメや漫画を心から楽しめなくなる!
こんな素敵でユカイな相対性理論についての知識が、通常79,800円(税別)のところ、なんと今なら無料で読めてしまいます!
「これはお得!すぐに読むしかない!!」という方は以下をどうぞ。
ちなみに「相対性理論」のことを「相対論」ということもありますが、同じ意味です。Theory of relativity(相対性の理論) の訳し方が違うだけです。
※前回の記事「物理の法則はどのように作られ、正しいと認められるのか(相対性理論を例に)」を読んでからお読みください。
今回も【特殊相対性理論】について説明します。
結論から言うと
【特殊相対性理論】とは、次の2つを前提としたときに”自然に導かれる”理論です。
・1.光の速さは常に変わらない
・2.電磁気の法則(電気と磁気についての法則)は、止まっている物体でも、等速直線運動している物体でも変わらない
物理学では「前提」のことを、かっこよく 【原理(げんり)】 と呼ぶことも前回お話しました。
それぞれ、特殊相対性理論の2つの原理についても、かっこいい名前がついていまして
・1つ目の原理を「光速度不変の原理」
・2つ目の原理を「特殊相対性原理」
と呼びます。
以下、それぞれの原理を順番に見ていきましょう。
■1.光の速さは常に変わらない(光速度不変の原理)なんてウソっぽいけど、実験で確かめられてるんよ
1つ目の原理は、光の速さ(光速度)は誰が見ても変わらない(不変)という原理です。
これは僕らの直感からすると「えっ!?ほんと?」と思いたくなる原理です。
なぜなら、物の速度は「変わって見える」のが普通だからです。
例をあげると
時速120kmで高速道路を走る車から、時速50kmでボールを投げると、
止まっている人からは、そのボールは時速170kmに見えます。
これを僕は「高速道路投法」と名づけました。
つまり、マウンド上を時速120kmで走る車からボールを投げると、超高校級の時速170kmでボールを投げられるという投法です。
次の春は、僕の「高速道路投法」が甲子園を湧かせる予定ですので、楽しみにしていてください。
ところが、光の速度は秒速およそ30万km(正確には秒速299,792,458 m)で常に一定だ、ということを 【光速度不変の原理】 は言っているわけです。
つまり高速道路を走る車から出た光も、止まっている人から見る光も、同じ速度だというわけです。
なんと「高速道路投法」が光の場合は使えないわけです。これは大問題だ。
そんなの普通に考えたら認められないわけですが、
実は、光の速さが常に変わらないことは実験で確かめられています。
有名なのは、マイケルソンとモーレーの2人がやった実験ですが、ほかにも今日まで、さまざまな実験によって確かめられているのが【光速度不変】なのです。
なので、しぶしぶながら【光速度不変】ということを原理として受け入れましょう。
人は自然の前には謙虚にならねばならないのだ。
■2.あ、「相対性」って、特殊相対性原理の「相対性」なのね!
2つ目の原理は
2.電磁気の法則(電気と磁気についての法則)は、止まっている物体でも、等速直線運動している物体でも変わらない
という 【特殊相対性原理】 です。
お、ここで 「相対性」 という言葉が出てきました。
実は【相対性理論】の「相対性」とは、この【特殊相対性原理】の「相対性」のことなのです。
これで見知らぬ土地で「相対性理論の相対性ってなんですか?」と聞かれても的確に答えられますね!
じゃあ「相対性原理」ってなんですか、というと、ざっくり言えば
誰が見ても自然の法則は同じになる、と仮定しよう
ということです。
つまり
「止まっているAさんにとっての自然の法則と、時速100kmで動いているBさんにとっての自然の法則とは同じ式で書ける」
というのが「相対性」ということです。
そしてこれは「原理」である(=正しいと認めて理論をつくりましょう)と言っているわけですね。
※なぜ、これを「相対性」というのかについては、また機会があったら書きたいと思います。ご希望ならばリクエストを。
ちなみに【特殊相対性原理】では、「等速直線運動している物体」だけを考えています。
つまり、くねくね曲がったり、スピードが変わったりする物体については考えていないわけです。
後にアインシュタインは、スピードや動く向きが変わった場合も含めた 【一般相対性原理】 を元にした 【一般相対性理論】 を発表します。
それと区別するために「特殊」とつけているわけです。
■特殊相対性理論って、電気や磁気についての理論なんだ!
ここで知ったかぶり用の豆知識を1つ。
よく見ると、上の2つの原理は、どちらも電磁気についての原理です。
電磁気というのは、電気の力(+や-の力)と磁気の力(磁石のNとかSとかの力)をまとめたものです。
光というのは、電磁気の波(電磁波といいます)ですから【光速度不変の原理】も電磁気についての原理ですし
【特殊相対性原理】も電磁気についての原理です。
ということは、【特殊相対性理論】は電磁気についての理論であって、別にE=mc2とかを出したいための理論ではないわけです。
実際、アインシュタインが書いた論文のタイトルは「動いている物体の電気力学について」ですから、思いっきり電磁気についての理論であることが分かります。(電気力学とは、電磁気学の一部)
■まとめ
長々と説明してきましたが、ここまでの話をまとめるとこんな感じ。
ちなみに特殊相対性理論の予想は、数多くの実験によって検証されてていますので、今日、特殊相対性理論は、疑う余地のないものとなっています。
(もっと言えば、一般相対性理論が検証済みなので、もはや特殊相対性理論をどうこう言うレベルではない)
さて、明日は特殊相対性理論から導き出される、この世界の不思議なすがたを紹介します。